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日本人必見!?マダム・イン・ニューヨークの感想とネタバレ!

この映画は正直タイは知らなくて、妹のKPちゃんから教えてもらいました。彼女がたまたまTSUTAYAで発見し観てみると、思わぬ収穫があったそう。

 

この映画は恋愛映画と分類されていますが、恋愛映画というよりは女性の人権・そして外国に行くということがどんなことかという事が描かれている映画だと思いました。

 

少しでも多くの人に見て欲しい映画だなと思ったのと、タイが伝えたい事も描かれていたので是非紹介したいと思います。ただの恋愛映画だと分類するのは勿体無い!特に女性に観て欲しい映画です!

 

 

マダム・イン・ニューヨークのあらすじ

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ビジネスマンの夫・サティシュと2人の子どもを持つインド人女性シャシ。彼女は料理上手でラドゥというお菓子をギフト用に販売する小さなケータリング事業をしながら、家族と平凡に暮らしていた。

 

彼女は家族の事を愛し、尽くし毎日幸せを感じていたが、彼女がコンプレックスを感じることが1つだけあった。それは英語が苦手だという事。

 

インドでは学校で英語を使って授業するため、子どもたちは英語が話せるし、ビジネスマンの夫は英語を使い仕事をしている。でも自分は英語が話せない。日常のふとした時に、英語が話せない事を家族にバカにされ、悔しい思いをする。

 

気にしないでおこうと思うシャシだったが、突然ニューヨークに住む姉から、姪の結婚式を手伝うためニューヨークにきて欲しいとの電話が入る。

 

夫は仕事・子どもたちは学校があるため、シャシは4週間早く1人でニューヨークに行くことになってしまい、不安を抱えるが誰も分かってはくれない。初めての1人旅でニューヨークまで行くがそこで待ち受けていたのは想像を絶する苦悩と英語が話せない事から起こるトラブルの連続だった。 

 

しかし街で『4週間で英語が話せるようになる!』という英会話スクールの広告を目にしたシャシは勇気を出して英会話スクールに行く事を決意。ケータリングで貯めたお金を使って、自分の力で一歩踏み出します。

 

そこで出会った仲間との日々で少しづつ自信を取り戻して行くシャシ。英会話スクールでクラスメイトのフランス人ローランと惹かれあいながらも、家族がいる身だと身を引こうとする。

 

しかしそんな彼女の頑張りも虚しく、家族は相変わらず彼女をバカにしたまま。そして卒業試験の日と、姪の結婚式がかぶってしまい・・・。

マダム・イン・ニューヨークの見所!

ここからはこの映画の最大の見所と、タイとしても観ながら感じてほしいなと思ったポイントを紹介していきたいと思います!あくまでタイ視点で、他のレビューや感想を参考にした訳ではないのでご了承を。

マダム・イン・ニューヨークで観る、女性の人権と尊重

この映画の重要なキーワードの1つではないかと思います。女性の人権と尊重。

映画の中でシャシが『家族に尽くすけれど、家族はそれを当たり前だと思っていて、感謝もしない。私は傷つくとこがないと思っている』と言っているシーンがあります。例え家族であってもそんな侮辱は堪え難い、と。

 

旦那は気持ちを分かってはくれないし、娘は反抗期。母になったとしても、そこに人権がないわけじゃない。女性だからこそ共感できる部分だと思います。

マダム・イン・ニューヨークから見える根強いインド文化

これは映画を観るだけではあまり伝わってこない点だと思います。なぜかと言うと、インドという国の文化を知っている人じゃないと分かりにくい部分であると思います。タイも全てを知っている訳ではありませんし、海外にいてインド人をたくさん見てきたり、聞いたりして感じた事ですが、インドではまだまだ女性は慎ましくっていう文化が根強いと思います。

 

言うならば昔の日本みたいです。女性は働かずに家に尽くせというスタイル。今の時代になり、やっと変わってきた部分はあると思いますが、出会ったインド人男性は結構そんな感じの人が多かったです。

 

そして女性はみんな若くして結婚しているので、タイが出会った友だちはみんな旦那さんがいました。10代であってもすでに結婚していて、みんな旦那さんと一緒に外国に来ているって言ってました。

 

もちろん中には女性に優しい男性もいましたが、下心があったりする人が多く、タイが外国で出会ったインド人と、インドに住むインド人男性ではやはり考えも違うと思います。その国の文化が感じられた映画でもあるな、と。タイは正直そう言った目線で観ていました。

 

マダム・イン・ニューヨークで観る、英語が話せない人が海外に行くとどういう事になるのか

個人的には1番ここに注目していました。英語の話せないシャシがいきなりニューヨークに行くとどうなったのか。他の記事でも何度も書いていますが、外国に行ったら自然に英語が身につくと思っている人が多いと思うので是非そういう人に見て欲しいんです。 

 

映画の中でシャシに何が起こったのか。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、タイが何度も泣いたのは、シャシの身に起こった事がまるで自分の事のように思えて思い出してしまったから。これは映画だから大げさに描かれている訳ではないという事を知ってほしいです。 

thaiism.hatenablog.com

マダム・イン・ニューヨークの感想!

まずはこれがインド映画だってことをタイは忘れていた、というか知らなかった。タイが最も苦手な映画は戦争映画。けど、その次に苦手なのが歌って踊っちゃう映画。ミュージカルみたいなのは見れません。

 

だって心ん中でツッコんでしまうんです( ᐛ )

 

例えば、レ・ミゼラブルヒュー・ジャックマンとアマンダ・サイフリットが好きなんで観に行ったら、真剣なシーンで急に歌い出したから、いや、逃げろよ( ᐛ )💢とつっこんでしまい、映画が終わるまで歌い出すたびにイライラしてしまった。

 

それ以来、ミュージカル系のは見ないようにしているんですが、これがインド映画だってこと、忘れていたー( ᐛ ) インド映画と言えば、踊りだす歌い出す。なのに。

 

歌が流れてきたら若干イライラしましたが、ストーリー自体はとっても良かったです。女性が知らない土地で、努力して自分自身を成長させる。それも周りには内緒で、こっそりと勉強し、唯一の秘密を知った姪も応援してくれて、何より自信を取り戻して行くのがいいですよね。

 

言葉が通じないって、思っているより不便で、自分の意思が伝えられないってとっても悔しいし、もどかしい。言語習得って思っているより複雑で、難しいです。 

 

マダム・イン・ニューヨークのネタバレ感想!個人的意見

ここからはネタバレを含む感想になりますので要注意。

タイには分かります。夫や娘のように自分の身近な人たちからバカにされ、『料理以外何も出来ない』みたいなこと言われるのがどんなに悔しくて、辛いか。実際、タイも数々の侮辱をされてきましたし、英語が話せないだけで人間性も否定されてきました。

タイにはシャシの気持ちが痛いほど分かりました。

 

タイが号泣したカフェでのシーンはリアルで必見

タイはこの映画で2回ほど泣きました。1回目はカフェのシーン。初めて1人でニューヨークのカフェに行き、コーヒーを注文するシャシ。彼女は店員の言うことを全く理解出来なくて、お店の中でパニックを起こしてしまいます。

 

ここは本当にリアルで、タイのトラウマのようなシーンがフラッシュバックされて蘇ってきました。シャシも店を飛び出して震えながら泣いてしまいますが、まさにタイは何度もこんな状況がありました。

 

確かにあの店員は映画だから酷く描かれていた部分もありますが、実際にあんな目にあった人もいるんじゃないかと思います。

 

コーヒー1つ頼むのすら、日本だとコーヒー下さいと言えばあらかた注文できると思います。でもオーストラリアでもそうでしたが、コーヒーを頼む際に『コーヒー下さい』とは注文しないのです。どの種類のコーヒーを下さいと言わなければなりません。

 

お茶で例えると、注文する際に緑茶なのか玄米茶なのか、カモミールティー・ペパーミントティーアールグレイ・イングレッシュブレックファースト、など色んな種類があるので、「〇〇を下さい」と具体的に注文します。じゃなかったら、シャシみたいに『コーヒー下さい』と言った時に『カプチーノ、ラテ、アメリカーノ、どれ?』みたいに質問が返ってきてしまいます。

 

コーヒーを頼む際にブラックかミルクかで頼む日本のコーヒー文化とは違いますよね。まぁタイはコーヒーアレルギーなんで飲めないですが。

 

登場人物の英語の訛りの違いがまさに的確!

これは本当に面白かった点でもあるんですけど、インド人・フランス人・スペイン人などの色んな国籍の人たちの話す英語訛りが完璧だったんです!わざと演じているのか、リアルに出すために本当に英語を話せない人たちをキャスティングしたのかは分かりませんが、あの訛りなんです、本当に。

 

特にフランス人ローランの話す英語はフレンチ訛りが完璧!フランス人はみんなあんな感じの訛った英語を話すんです。タイは個人的に好きなんですけどね。スペイン人のエヴァの英語もスパニッシュ訛りで、今のタイのシェアハウスのスペイン人たちと同じ英語。それが個人的に細かいところまで気を配ってるな〜と思いました。

 

だからこそ感じたのは、娘や夫が話す英語は本当にヒンディッシュ(インド人が話す、インド訛りが酷い英語のこと)なのにシャシのことをバカにしてるのが納得いきませんでした。

 

もちろん第一言語じゃない私たちにとって訛りはあって当然ですし、訛りが面白かったりするのでタイが訛りがある意味個性だと思ってるんです。でも、訛りって正直聞き取るのはすごく苦労します。英語学習が難航するのも実はこれも原因だったり。

 

実際、インド人ってヒンディッシュの人が多いんですが、自分の訛りがあることを気にしないで話して、人の英語をバカにするからタイは腹が立つんです。お互い歩み寄るべきなのに。

 

みんな第二言語を一生懸命話してるんだから人の英語を笑うな!と世界中の人に言いたい。 

シャシとローレンの恋の行方に大不満!

完全に個人的ですが、タイ的にはシャシに別れてほしかったです。ローレンとくっつかなかったとしても、あの旦那はないなって感じでした。女性を尊重しない、傲慢で自分勝手なまさにインド人男性な感じでした。

 

確かに新しい土地での一時のトキメキで家族を捨てろと言ってるわけではありません。最後のスピーチのシーンでも、シャシの言葉で娘と旦那は反省しているようでしたし、シャシも卒業の合格が出たしで、一件落着なハッピーエンドでしたけど、タイ的には大不満。

 

まるでインド文化の圧力の様な気がしたから。ここに来てまで、家族という箱の中で生きろ、インド人女性はインド人男性にずっと尽くせ、みたいなメッセージに感じてしまいました。ひねくれてますけど。

thaiism.hatenablog.com 

シャシが守ったインド人女性としての誇りがカッコイイ!

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ニューヨークに行ったシャシがどんどん人として成長して行って、自信を取り戻すんですけど、変わらないものがあります。それはどんなに自信がついたとしてもシャシの信念を絶対曲げなかったってこと。

 

海外に行くと、気持ちの解放からか変わってしまう人が多いです。もちろんタイ自身も周りから見たら変わったんでしょう。でもタイもタイを貫いています。海外に行ったからと行って、自分の信念は変わってないんですよ。

 

この映画で言うならば、シャシはどんどんニューヨークの街を歩くことに慣れて、堂々と歩きますが、服装はインドの伝統衣装・サリーのまま。 とっても美しいドレスなんですけど、タイは今までたくさんのインド人女性に会って来ましたが、誰1人として着ているのを見た事がありません。

 

インド人女性もみんなと同じジーンズにTシャツやセクシーな服を着て街を歩いています。『日本人だって着物は着ないくせに!』と言われそうですが。

 

でもシャシの場合、どんなに慣れようと、自信が付こうが私は私、スタイルなんです。性格だって、アメリカに来て大胆になるわけでもなく、元の慎ましい性格のまま。ローランに告白された時も、良い感じになった時も、自分のあり方をわかっていました。

 

同じ女性として、彼女はとても美しく、気高い女性に見えました。やっぱり世界中のどこに居ようが、自分は自分なのです。

 

マダム・イン・ニューヨークをタイはどうやって観たの?

海外にいると気軽にTSUTAYA行ってDVD借りよ〜って出来ないのがたまにもどかしいです。あんまり映画は借りないですけどね。

 

でも今回はかなり興味があったので、iTunesで映画をレンタルしました。ダウンロードしたら48時間だけ何度でも観られるやつです。飛行機とか乗る際もこうやってタイはiPadに映画レンタルして行ったりしてます。便利な世の中ですよね。 

 


マダム イン ニューヨーク【動画配信】


マダム イン ニューヨーク(字幕版)

 

まとめ

  • マダム・イン・ニューヨークから感じられるのは文化の違い
  • 英語が話せないとどうなるかをリアルに見ることが出来る映画
  • 女性が自信を取り戻していく様は見ていて清々しい
  • 家族を大事にというメッセージ

 

個人的には本当に見て良かった。特にタイが色んな経験をしているからこそ共感できるシーンが多かったのもあると思います。シャシは女性として、人として尊敬できる女性でした。

 

姪の女の子(名前忘れた)もとっても良い子で英語上手だし、彼女のファンになりそうでした。笑

 

女性として自信をなくしている人も、何かにつまずいている人も、是非オススメなので観てみて下さいね。

  


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